February 22, 2012

ひよこストライク!

タイトル
 ひよこストライク!
 メーカー
 Ex-iT
 発売日  2012年1月27日
 原画  やすゆき/
 卯花つかさ(SD原画)
 シナリオ  佐藤ヨシヒサ/小林公示
 評価
 76点(100点満点中)

戯画・TGL系ブランドである新興メーカーEx-iT。前作である「そらいろメモワール」にてデビューしたものの
大きく奮わずそのまま多くの過去戯画パートナーズブランドのようにフェードアウトしていくのか・・・
と思いきや、その「そらメモ」発売からほぼ即座に2作目であるこのタイトルを発表したのでその勢いに
びっくりした覚えがあります。そんな感じの小さいけれど妙なパワーを感じるメーカーの最新作は
「ひよこストライク!」なんてなんとも可愛らしくも勢いもありそうなフシギな一本。
当初こそ原画の可愛さはそれなりに魅力的ながらも、塗りの今一歩さやWebの残念さ、前作のイマイチさなど
不安材料も多く、個人的にも気にしつつも若干遠巻きに見ていたものですが。
しかしいざ出てきた体験版をやってみるとその独特な雰囲気の良さやヒロインたちの魅力に
負から正へ期待値が反転。それでもまだ悩む要素もありましたが、結局気になってしまって
発売日に手にとってしまったわけですが。

結果からすれば手にとって正解でしたねこれは。
まず始めにさらっと言うなら、これはとても「良くも悪くも古臭いエロゲー」って感じの作品です。
デザインや塗りなどの技術はやはりどこかまだ足りてない印象が強いですし、システムや演出なども
たいして豊富でもなくかつ無駄に重かったりと足場はどこか覚束なく、今時のゲームとしては
スペックシート的な部分でかなり物足りなさがあるのは否めません。
ただ、それを払拭してありあまるこの作品独特の、温かくて穏やかな雰囲気の良さと、すこしふしぎなSFと
思った以上にしっかり書かれた恋愛描写をない交ぜにした小気味良い切なさがなかなか今時稀有で魅力的。
キャラクターの魅力なども癖はありつつも高く、萌え恋愛ADVとしてピーキーながらいいポテンシャルを
秘めたもので、5年~10年くらい前の、エロゲー黎明期の隠れた良作と同じようなにおいのするものでした。

ちょっとテキストやキャラに癖があるし、全般的に粗も散見される作品なので
万人に薦められる作品でこそないですが、独特な個性と魅力ある作品なのもまた確かです。
個人的にもかなりお気に入りの、いわゆる「好きなエロゲー」にカウントできる作品になりました。


以下長文感想。



■ボリューム及びルート構成について
ボリュームは私がフルコンプにかかった時間で20時間強ほど。本ルートは各ヒロインズにより合計5ルート。
ただしこの中でも雛のルートだけ妙に長め。他4人はそこまで大きく変わりませんが、強いて言えば
ちょっとぷーさんと理々乃が短めなのかな?また、本ルートとは別にサブキャラのルートもあり。ただし
こちらは「攻略」とまではいかないので残念ながらHシーンなどはありませんが。
また、これとは別にこのゲームを特徴づけるワンポイントとして「スクランブル」というシステムがあります。
これはぶっちゃけて言えばただのSSです。あるルートの特定ポイントを通過することで開放され、
その特定ポイントの同時刻別視点のお話や、あるいは関連性のあるお話が見れる・・・という、まぁ最近では
珍しくはあるも、類似なものはは稀に見かけるシステムですね。
ただこれが結構多め。内容自体は本編で語りきれない部分やちょっとした面白エピソードなどが詰め込まれて
いるのでいい感じですが、普通に全ヒロインをクリアするだけでは全部は出現しないので
ちょっとばかしコンプリートするには手間のかかるものではあります。
何かと今時のADVにしてはやることが多い、遊べるゲームではあると思いますが、最近の標準的な
ADVに慣れているとやや面倒臭いやもしれませんね。

■攻略について
攻略については基本的には難しいことはなく。選択肢は結構多めですが、しかし攻略の鍵となる選択肢は
結構限られています。少なくとも、各ヒロインのルートに入ること自体はさほど苦労しないでしょう。ただ、
ルート確定後も多少選択肢があり、正しいものを選ばないとちゃんとしたエンディングにたどり着かない
場合もあるので注意が必要です。
ただこのゲーム、ちょっと特殊なシステムとして「ひよナビ」なる選択肢補助システムがついており、
これを参考にすることで攻略が容易になるようになってます。ゲーム中にはやや選びにくい選択肢もあるため
これはなかなかこの作品にマッチした有難い機能ではないかと。
ただ、インスト直後のデフォルトでこの機能がONになってしまっているので、自力で攻略するんだ!
って人が先に切っておく必要があります。ある意味選択肢の正解も一つの劇中ネタバレの一つである、と
考えるのであれば、これはデフォルトをOFFにしておくべきだったかも、とはちょっと思いました。

■ゲームの進行関係
基本的にはじっくり進行。殆どの場合で一日ずつ日付が進んでいくオーソドックスなスタイルです。
ごくたまーに数日、数週間の日付ジャンプは起こりますが、すぐ説明フォローが入るので日時認識の
混乱は起きないでしょう。基本的にはじっくりと一日を描写していくので、日付感覚だけでなく
朝、昼、夕、夜の時間感覚も結構きっちりしていますし、ストーリー的にどうしても過去などのお話が
必要になったらスクランブルを活用、という形でバランスも取れています。

ただし日付表記などはなし。場面転換なども基本的なワイプのみでアイキャッチなどもありません。
時間がじっくり進むゲームな上、ルートによっての時系列もさほど変わらないだけに月日の設定とかを
ちゃんと見れたり、幕間休憩をちゃんと取れたりするとよりストーリーに入りやすくなったんじゃ
ないかと思いますが・・・惜しい所です。

■進行関係システム
進行に関係するシステムはスキップとオートのみと残念ながらかなり乏しめ。ジャンプ等はありません。
各ルートごとのクリアだけならさほどこれだけでも既読を通過する部分が多くないため手間ではないのですが、
いかんせん前述のスクランブル回収を考えるとなると格段に面倒臭さがアップします。
加えて致命的なのが、このゲームのスキップがとんでもなく遅いこと。しかもただでさえ平均より遅い上に
どうもシステムの重さに引っ張られているらしく、ゲームの起動時間が長く、メモリを良く食ってたりすると
余計遅くなってしまいます。ぶっちゃけスキップボタンを押しっぱなしでも表示されるシナリオが
殆ど読むことが出来るレベルです。これは正直もうちょっとどうにかしてほしかったですね。

■システム・コンフィグ関係
設定項目は1画面に綺麗に纏まっており、項目自体もほぼ平均的でしょうか。
決して多くはないですが、一応普通にプレイする分にはさほど困らない量、とも言えるでしょう。
音量や速度系はスライダーで調整できますし、クリックでボイスをとめるか否かの設定もちゃんとできます。
(ただし、項目が「ボイスカット」というやや聞きなれない項目なので気づきにくいのですが・・・w)
また、やたらと文字ウインドウの色や見た目にバリエーションがあったり、緊急回避があったりと
ちょっと妙な方向への力はいくらか入ってます。こういうのは楽しいので嫌いではないですが、
他この分だけもうちょっと充実させることができたのではなかろうか、と思うと
ちょっとだけもにょっとしますね(笑)

■デザイン関係
これは正直イマイチと言わざるを得ないでしょうか。一応カラーリングバランスは纏まっていますし、
作品にも決して合ってないとまでは言わないですが・・・どうにもシンプルすぎたり、野暮ったかったりと
いわゆる「垢抜けない」感じが強く出てしまっています。それでいて古臭さもかなり強い。
可読性は高いですし、個人的にはそんなに嫌いなテイストというわけでもないんですが、今時の平均的な
レベルと比較するとなると残念ながらディスアドバンテージな部分と言わざるを得ないとこでしょうかね。

■画面演出
ぶっちゃけこれもまたほとんど特記できないポイントです。
立ち絵芸の部分で、単純な動作だけでなく背景を三次元的に使った配置で距離感を演出するなど多少は
頑張っているところが見れたりしますが、それ以外では殆ど強く動きや派手さのある作品ではありません。
結構いろいろとフシギ要素の多いゲームなのですが、残念ながらそれらを彩るエフェクト的なものなども
さっぱりなく、文字と、白いワイプなどでどうにか誤魔化すような、これまた昔ながらの力技の手法だけで
ほぼ完結しています。バリバリ派手にされてもこのゲームの雰囲気を壊してしまうとは思いますが
無理のない程度の画面効果はもうちょい欲しかったかな、と思いました。


■音関係 - 音楽
なんと残念ながら昨今にしては珍しくミュージックモードがありません!
なので曲目数は残念ながら不明です。とは言え多分そんなに多くはないと思いますが。
ボーカル曲は明確に3曲。OPとED、そして特定箇所でのみ流れる挿入歌ですね。OP曲は榊原さんの
アップテンポで可愛らしい曲でこの作品にぴったりの素敵なものだし、エンディングも挿入歌も実はさりげに
なかなかの名曲でボーカルは粒ぞろい。BGMについても、そこまで曲自体の完成度が凄い!とかそういうのは
ないのですが、これもどこか古めかしいながらもいい個性と心地よい雰囲気の調和が取れていてなかなかの
良サウンド。この作品全体を流れるいい空気の、大きな一端をBGMが担ってると言ってもいいでしょう。

しかし、かなりサントラ欲しいんだけど発売しないのかな・・・。ちなみにボーカルだけはゲームとは
別売りグッズの「ひよこリズム」でフルが聞けるので欲しい人はとりあえずそちらで。
ゲームより先に買っといて良かったですわ・・・。危うく生殺しを食らうとこだったわ。

■音関係 - 効果音
画面演出が強くない分のサイドバイサイドなのか、こちらは意外と豊富。エモーション系の効果音も
それなりにありますが、それ以上に環境音がかなり豊富です。複合的に鳴らしすぎてクリックが早いと
ガチャガチャしてしまう場面もありますが(笑)この点については問題ないでしょう。
音質もいいとは言わないまでもそこかしこでやたらと聞くようなチープな共通素材感も強くはありません。

■音関係 - 声優
いつも通り主観が一番激しい項目ではありますが(笑)かなり悪くない素敵な配役だったと思います。
特にメインヒロインズはみんな素晴らしいですね。特に榊原さんやまきいづみさんなど、比較的強く
個性が出るタイプの声優さんが全く違和感なくヒロインに溶け込んでたのが印象的でした。
他キャラも勿論悪くなく、クラスメイトAや雛のおどおどした声や、ぷーさんのミステリアスな声など
なかなか覚えの良いマッチングだったと思います。個人的には大正解レベルですね。


■絵関係 - 全般
原画はやすゆき氏。エロゲー原画としてはかなり昔から活躍してる人ですね。絵風としては
萌え絵というほどにはあざとくもなく、かといってリアル志向かといえばそんなこともなくデフォルメ色は
強めの、プレーン系ですがいそうでいない個性もある珍しいタイプの絵師さんかと思います。
長く活躍しているだけにエロゲーとしての絵の安定度は高く比較的安心してみることができますが、その
性質ゆえか非常に塗りに絵の最終的完成度が左右されやすい方でもあり・・・。で、残念ながらこの作品は
かーなり塗りが弱いため総合的にはぱっとしなくなってしまってます。なんというか、根本的に
繊細さに欠けるのと、カラーパレットの選択が悪いという二つの所で特に今ひとつなのかな。
簡単に言ってしまえば単純に技術が足りてない印象が強いです。これは正直、どうしようもない。
逆にSD絵は非常に良かったんですけどね。卯花つかさ氏の絵それ自体も非常に可愛く、またこちらも
SD絵としてそこまで強い個性のないプレーンタイプなため親しみやすく、そして最後にこちらについては
塗りも単純化されているためさほど悪さを感じることもなく。王道で無難以上の良いSD絵だったと思います。

■絵関係 - イベントCG
イベントCGは全94枚。ですが、うちSDイラストが20枚入っているので、メインのグラフィック数としては
74枚。フルプライスとしては若干少なめですかね。加えて言えば差分についてもあまり多くはなく、
どうでもいいところならまだしもシナリオ的に違和感の出るような差分不足を感じるシーンもちらほらあり
単純にボリュームとしてこれは物足りないの域になってしまっているか。これまた逆にSD絵については
20枚というのは十分平均以上に多いものであり、前述の通り絵としての満足度も高いのでこれまた
こちらについては褒められる美点なんですが・・・(笑)

■絵関係 - Hシーンについて
シーン回想から呼び出せるシーンは各ヒロインにつき6回ずつありますが、それら回想には
エンディングや各ルートの山場なんかも含まれて上に、ラッキースケベなだけのイベントなんかも
カウントされてるので(笑)実際のところはヒロインによって大きく差があり、一人あたり2回~5回ほどで
希望のヒロインがいまいちエロで物足りなかった、なんて場合に遭遇する可能性はあり。
Hシーンそれ自体については、恋愛描写がそれなり以上に強いのもあってか非常にHシーンへの導入などは
魅力的で、いいシーンになりそうなものばかりなんですが・・・いざ本番が始まるとその殆どがとんでもなく
昨今の萌えゲー平均を大きく下回るレベルで短めです。まぁ、ただ長いだけでテンプレなHシーンよりかは
個人的にはマシに思いますが、それにしても短い。ぶっちゃけシーンによっては数クリックで
主人公が発射しちゃう早漏っぷり。複数回戦に突入するパターンも殆どなく、残念ながらこの点についても
色濃い印象というものはありませんでした。導入の良さという素養はあるのに勿体無い。

■絵関係 - 立ち絵
立ち絵はメインとなるキャラクターがポーズで2パターンと、衣装が制服と私服?の2パターンがデフォ。
他、基礎となる部分に微妙な差分があったりとか、追加の衣装がキャラによってはあったりとかがありますが
ここから大きく広がることはなく。その他サブキャラについてはポーズや衣装パターンもないですし、
サブキャラ自体もエロゲーの平均を出るほどの量ではないので、全体的にはこの点でもボリュームは
乏しいといわざるを得ないでしょうか。表情だけはそれなりにちゃんとある上に、崩した顔や
個性的なものもあるのでなかなか魅力的ではあるのですが。しかし総じて言えばやはりこの点についても
今一歩という評になってしまうところです。


■話関係 - キャラクター全般
一言で言ってしまえば非常に古臭いキャラクター作りで、どこか懐かしいエロゲキャラクター、といった
様相でしょうか。今時のエロゲのような手軽でわかりやすい萌えポイントアピールも多くなければ
ラノベのような尖りすぎるほど尖った個性もなく。どのキャラもそれなりの過去かキャラの拠り所となる
軸を押えつつ、そこから派生するようにキャラクターの可愛さを広げたような形になってます。ただ本作は
攻略ヒロインのうち「ウタカタ、理々乃、ぷーさん」と「クラスメイトA、雛」で明確に担当ライターが
分かれているのですが、そのうち前者がどちらかというと過去や設定寄り、後者が性格的なものを重視した
キャラ作りになっているので、前者は比較的誰でもとっつきやすいがインパクトは薄く、後者は
濃い目に愛せるポテンシャルはある代わりに人を選ぶようなキャラ、という形で雰囲気に差があります。
どちらにも魅力はありますが、より尖り気味な後者カテゴリのヒロインをどう思うかでこのゲームの
印象は結構変わるかと思います。

■話関係 - 主人公
主人公もやや特徴的。まずベーシックな部分としては外面クール系で人付き合いが苦手なタイプ。
数値的なスペックは平均的程度だがそれなりにストーリーに影響を与えられる行動力や発言力はあり、
ちゃんとNOを言える主人公でもあるのですが。ただし若干短絡的で、ちゃんと間違いを認め謝ることは
出来るもののちょいちょい行動をミスるところや、これまた古臭いキャラクターの主人公らしく
いわゆる難聴系の聞き逃しが多いなどちょいちょいひっかかるところもあるキャラクターです。
これまたいい部分を気に入るか、いまいちな部分を辛く思うかの二択でゲームに対する没入感が
割れるような主人公ではありましょう。

■話関係 - テキスト
シナリオは佐藤ヨシヒサ氏と小林公示氏のお二人。先ほど言った通り、「ウタカタ、理々乃、ぷーさん」と
「クラスメイトA、雛」の2つの区分で担当が分かれており、前者が佐藤氏、後者が小林氏の担当と
なっています。ただどちらのルートであっても、若干の誤差、違和感はないでもないですが、基本的には
ライター二名の親和性は高く、明確に担当の別れているゲームにしてはシナリオの内容は兎も角
テキストの質差はさほど強くはありません。テキストのテイストとしてはかなりのプレーンタイプで
文章自体のクセはあんまりないですし、味の濃いギャグやパロ要素もありません。とはいえその読み味の
大人しさが、ゆったり包むような音楽と合わせてうまいこと雰囲気の良さを演出できているとも
言えるでしょう。ただ若干描写や説明などに粗があったり、突如薀蓄を紛れ込ませたりと
微妙な部分での足元のバランスの不安定さは少し感じました。

■話関係 - シナリオ
まず単純なストーリーとしては、平凡で孤独気味な学園生活を過ごしていた主人公の前に、主人公にしか
視認することのできないフシギな異世界ヒロインのウタカタが現れて、それをきっかけとして
主人公を取り巻く様々な人間模様が変化していき、その中での出会いや関係性の変化からやがて恋愛に
発展していく恋愛ADV・・・といった体でしょうか。しかしその実、すこしふしぎなSF設定は物語を彩る
舞台装置にこそなれ、魅力を語る上ではそこまで重要ではなく、どちらかというとそのキャラクターとの
ふれあい模様に高い魅力のある作品となっています。ヒロインズも主人公も基本的にどこかおかしなものや
振り切れたものを抱えているので危うげ、儚さがあり、作品自体の全体の雰囲気作りも相俟って非常に
どこか切なく郷愁を誘うような趣があります。そのストーリー自体を紐解きつつも出逢いを重ねて
恋と事態に揺れ動く佐藤氏担当側のルートも決して悪くないものですが、それ以上に小林氏担当となる
クラスメイトAと雛のストーリーは彼女たちの強烈なまでのメンタルの揺れ動きが特に強く過剰なまでに
描かれているため印象深く、ぐっと胸にくるものがあります。
ただテキスト同様、やはり全体的にちょこちょことした文脈の粗がある点や、後半のストーリーにやや
駆け足感があるところ、そして良さであると同時にその振れ幅の大きな揺れ動き・クセの強さ故に、
受け入れるにややハードルのある小林氏担当ルートの根本的な性質などはやや問題となるでしょうか。
前述二つについてはある種のまぁこんなもんだろう、と言える側面もありますが、最後の点については
下手をすると本気でヒロインを強く好きに思うか、強く苦手に思うかくらいまで意見は分かれそうです。


以上となりますかねー。
大枠で言えばまだまだイマイチなところが多く、言ってしまえば洗練されていない印象が
ぬぐえない作品ではあります。特にシステムや塗り、素材のボリュームなどについては純粋にスペックとして
物足りない感じがぬぐい難く、商業メーカーとしてまだ一歩踏み込みきれていないものではあるでしょう。
ただやはり、その今ひとつな部分とは裏腹に、印象、味わい深い側面があるのも間違いなく確か。
その味付けは古臭いものではありますが、古臭いのが逆に新しさを感じるようなきらいも出てきた昨今、
こういった作品を出せる、という部分は確実に強みとなるでしょう。
洗練されていない、という部分についても裏を返せばまだまだ向上する余地が大きくあるということでも
あり、今後が楽しみになる、応援したくなる作品だったと思います。
なかなか急激に売れ線までジャンプするのは難しいかもしれませんが、地道に進んでいって
是非ともこの路線で今後もブラッシュアップを進めていって欲しいと感じました。


それでは最後にいつものオススメユーザー。
まずはこれしかないでしょう。「ちょっと昔懐かしの雰囲気漂う、ふんわり切ないADVがやりたい方」。
後は特にクラスメイトAと雛のどちらかが気になるようなら是非。前者は片思い系ヒロインの、
後者は妹系ヒロインの、それぞれ一つ記憶に残るレベルの後味を残してくれる
なかなかシャープで破壊力の高いヒロインたちですよ。オススメ。
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