November 12, 2011

111112a.jpg
えいちえむでぃー
はい、というわけで昨日の予告どおり本日の雑記の時間は予定を変更して特設レビューです。

未来的ガジェットの代表的なイメージアイテムであるヘッドマウントディスプレイ。とは言え今まで
値段、性能どちらの点においても個人的なユースで割に合う商材がなかったカテゴリーです。しかし今回
1280*720というかなり現実的な解像度、映画館をイメージしたという売り文句にほぼ違わない擬似的な
空間再現性、6万程度という個人でもそう難しくなく手が届く価格帯、と、完全にうまいこと今までの
「ディスプレイとして選択肢にすら上がらない」という印象の殻を破ったのが、このHMZ-T1、って
ところでしょうか。基本的には個人ユースで映画館のような気持ちで映画などの
DVD/BDコンテンツを見たり、或いは高い応答性やコントラストの表現力を活用し、
同SONYの商品であるPS3とつなげてのゲームプレイ、なんてのが想定される使い方だと思いますが。

まぁ、ね。このサイト的にはね。そういう一般的な使い方について語ってもしょうがないので。
そのあたりはAV WatchとかITMediaとか4Gamerとか見てくれればいいかなと思います。
装着感や映像の良し悪しについては私が実際体感してみての感想とこれら記事はそうそう外れてません。

で。やはりここはその高い「没入力」を利用してエロゲーをするべきだろうと!
そんなわけで買ってみたわけですよ。エロゲーに没入。嗚呼、なんて甘美な響きだろうか!
2次元にダイブしたいなんてフレーズはまぁもうさんざ使い古されてはいますし、勿論このガジェットで
そんな次元の壁を越えて没入できるわけではありませんが、しかし使い古されるほどに
「深く入り込みたい」と思うのは二次元系のオタクの悲願なのは確かでして。
ゼロにはならずともその距離が体感的に縮むかもしれないアイテムの可能性を
ヘッドマウントディスプレイは秘めているのではないか、とずっと思っていた次第です。

で、実際プレイしてみた感じですが。
確かに高い没入感は得られます!・・・が、その没入感を得る条件がいくつかあるように感じました。


・・・と、なんかいつものノリで書いてたらいつも通りの長文になりやがってしまったので、
続きは続きに、以下長文感想。



まずもって眼前に大画面で広がるエロゲーというのはインパクトは凄いです。HMZ-T1の謳い文句は「劇場にて
750型のスクリーンを20M離れてみた感覚に相似」ということで、確かに(しっかりと安定して付けることが
条件ですが)あたかも劇場でエロゲーを再生しているかのような感覚は手に入ります。
その上しっかりと外部の遮光を行えば、有機ELの高い階調表現力もあって画面以外の情報がほぼ完全に
真っ暗で存在しなくなるのも没入感を高めることに一役以上に買っています。普通のディスプレイの場合
例え部屋を真っ暗にしてプレイしてもディスプレイ光によっていくらかの外部情報はありますしね。
猛烈に大げさなことを言えば、HMZ-T1は自分の認識する世界をオーバーライドすることができる、なんて
言い方でもいいのかもしれません。本気で没入してからHMDを外して現実を認識すると、まるで
映像しかない別の世界から自分の部屋にワープしてきたかのような自分の足元の違和感を感じます。
この現実感からの一瞬の浮遊はエロゲー世界にのめりこみやすくなる後押しともなるでしょう。

ただし、この感覚を得るにはそれなりの数のハードルが必要です。まずはなんといっても遮光。
兎に角外部光は映像に入り込むのの妨げとなります。製品にはライトシールドとして目の下からの光を
ある程度遮断するパーツがついていますが、そもそも根本的にそんなものより上から入ってくる光の方が
ヤバイので、部屋は出来るだけ暗所にするのが望ましいです。蛍光灯も邪魔ですが自然光も邪魔ですので
使っているカーテンが薄手だともしかするとそれも妨げの一員になるやもしれません。究極理想は緞帳。
で、その状態になりますとまずキーボードがロクに使えません。それでもどうしても使いたい場合は
HMDの下部ライトシールドを外し(部屋が暗ければぶっちゃけライトシールドは要らないのでこれはそんなに
問題ではありません)、キーボードをロジのイルミネートキーボードのようなキートップの文字がちゃんと
暗所でも見えるようなタイプにするのが必須でしょう。これでまぁ、頑張ればキータッチも可能です。
とはいってもキータッチのために画面外を見るとかHMDの没入感と真っ向から反する行為なので基本的には
やるべきでない行動です。キーボードは使えないもんだと思っておきましょう。

続いて体の動作抑制。根本的にHMDの癖として、頭にしっかり固定されているディスプレイである=
頭をちょっとでも動かせば画面が追従します。つまり仮に劇場感覚で見ていても、ちょっとでも動くと
映画館が大地震なわけですよ。なので動くと一撃で没入感を損ないます。映画やドラマ等の映像を見ていたり
動きのあるアクションゲームをしている分には多少の体によるブレはさほど問題にならないのですが、
いかんせんエロゲーの場合基本的に画面に動きのない静止画なので、ゲームなどでは気にならない
小さなブレ、動きもエロゲーだと気になってしまう場合が多いです。
なのでなるたけ揺らさないよう、プレイ時にはゆったりしたリクライニングの椅子か、あるいはもういっそ
ベッドに寝てしまう方がいいです。ついでに言えば両側から挟みこむようなヘッドセットか、深く沈みこむ
枕のような環境があるとよりいっそういいですね。
そして当たり前ですが双方ともこんな体制でプレイするとマウスも触りにくいです。なので
基本的にゲームプレイはゲームパッドかごろ寝マウス的なものを活用することになります。
パッド対応してないゲームはJoyToKeyあたりでキーボードのボタンを割り当てて使うといいでしょう。

また、音声にもややクセがあります。まず基本的に本HMZ-T1には入力端子がHMDIしかありません。そう、
つまり光端子もヘッドホンジャックもないわけですね。なので、PC側のビデオカードにHDMI端子があり、
ついでにHDMIから音声を出力する機能がないと十全に使うことができません。最近のビデオカードなら
大抵この機能あるんですが、ちょっと前の、HDMI出力するにはDVI-D端子に変換機カマすようなタイプの
ビデオカードだと多分できないんじゃないかな・・・と思います。まぁ最悪、HMDの
ヘッドホン部分をズラして、イヤホンなどをはめてしまえば多分プレイできなくはないんですが・・・
耳元がわずらわしいことにはなってしまうかもしれません。
HMDのヘッドホンによる音質自体はそこそこ1万程度のオープンタイプのヘッドホンクラスなので、普段の
エロゲープレイに高級なヘッドホンを使っている人なら兎も角、殆どの人はそう不満には思わないとは
思います。ただ、デフォルトの設定の場合サラウンド効果がかかっているため、エロゲーの場合そのままですと
声が響いて聞こえてしまいます。好みによるとは思いますがPC環境で普段からサラウンドを使って
エロゲーしている人はなかなかいないと思いますし、サラウンドは切ったほうが恐らく無難でしょう。
音には他「シネマ」や「ゲーム」など、標準よりも聞きやすいサラウンドモードも一応存在してますが
完全に「切」にしたほうがちゃんと声優さんの声が聞けます。


はい、なんかこの時点でもうなんか超めんどくせえですね(笑)
しかし一応ここまでの条件が整えば、かなりの没入感を得る・・・・下準備ができます。
ええ、下準備です。ここまではPC接続と、HMDの基本的な仕様からくる問題の解消や緩和ですね。
ここからはエロゲーのタイトルによっての向き不向きについてお話します。
ちなみに基本的にウチのPCに入ってたエロゲーを片っ端から起動してみての話になります。


まずシステム的なおはなし。HMZ-T1の画面解像度は「1280*720」です。「800*600」のゲームは勿論、
「1024*576」のゲームも表示することが可能です。しかし、「1024*768」「1280*768」のゲームは・・・
当然、若干解像度が足りませんね。基本的には最近のゲームの場合ですと解像度が足りないものは
自動的にフルスクリーン表示になったりしますし、HMDを使っておいてウインドウモードでゲームをするのは
根本的に用途としてないと思うので殆どの場合では問題に感じませんが、ただやはり一部、システム的に
画素が引っかかるものはあります。例えば「ワルキューレロマンツェ」では設定によってはちゃんと
フルスクリーンにならなかったりしましたし、「ヴァニタスの羊」では必要以上に縮小されてしまいました。
もしかしたら設定次第で変わるのかもしれませんが、昔のゲームに遡れば遡るほどこういう問題には
ひっかかるやもしれません。また当たり前ですが、ワイドタイプのディスプレイですので、フルにすると
横に間延びしてしまうような昔の4:3ゲームもプレイに支障があるかと思います。

そして何よりポイントとなるのはやはりテキストウインドウ関係。
そもそも基本、文字読むこと自体あんまり向いてないデバイスなので、地の文<音声主体の萌えゲーや
ガチエロゲーのタイプの方が根本的には向いてます。その上で文字もちゃんと読むことを考え、かつ没入感を
重視すると、色合いやデザインとしてはテキストウインドウとしてはっきりしてるものか、
或いは逆に極限までシンプルなものがプレイに向いていると言えるでしょう。メリハリの強い
「HYPER→HIGHSPEED→GENIUS」や、シンプルで落ち着いた「グリザイアの果実」あたりが理想的。
絵とテキストの分断も自然で非常にプレイに向いていると感じました。
111112b.jpgウインドウがコレくらいシンプルで違和感もないと映像としても見やすいです。

もしくは「Strawberry Nauts」のようなウインドウが小さく邪魔にならない上で可読性を維持しているような
ものもかなりアリですね。まぁストロノはPITとか読むとなるとあんまHMD向きじゃないんですが。
111112c.jpgテキストの幅がデフォでこれしかないストロノ。邪魔にならず、文章もセリフ多めなのでテキスト自体が気楽。

後は恐らく究極的には映画の字幕のようなスタイルで完全に無駄を省いている「マブラヴオルタ」あたりが
理想的な絵になるんじゃないかと思うんですが、体験版もないし現物がこのレビューを書く前に
どこにおいたか見つからなかったので実際どうかは試せません。ゴメンナサイ(笑)
逆にパーツそれぞれがちゃんとした絵だったり、デザインとして凝ってたりすると無意識に意識がそちらに
逸れてしまい印象がブレてしまう分没入感的に不利かもしれません。「春季限定ポコ・ア・ポコ!」などは
デザインとしては秀逸なのにあんまりHMD向きではないような印象を受けました。

あとは当たり前ですが、文字サイズがやはり小さければ小さいほど読みにくいです。
昨今の一般的なゲームの文字サイズなら問題ありませんが、やや小さめか、と感じるサイズですと
厳しくなります。「神咒神威神楽」級の大きさだとちょっと読みづらく感じてしまいました。
111112d.jpg神咒の文字サイズ。ぱっと見そんな小さく感じないけど、上2作と比べると明らかに小さめ。文字のエッジが弱いのも問題か。

また、コンフィグボタンにも向き不向きが。まずこの製品の場合、左右の目に対して
一つずつのディスプレイを用意し、それを擬似的にレンズで両目で見た視点にしているためか、
画面のギリギリ端っこの細かいところに視点を向けるとレンズの歪曲の問題なのか誤差が生じやすく
見づらくなります。エロゲーの場合、そういう端っこにコンフィグ項目が置いてあるのが多いですよね。
それでも標準的な大きさのボタンであればさほど問題ではないのですが、「鬼ごっこ!」のような
アイコンがかなり小さいようなゲームですと、そのボタンが何なのかを判別するのにやや苦労を感じました。
111112e.jpg鬼ごっこ!のコンフィグパネル。このサイズで端っこだとHMDではかなり見るのが疲れます。

後はやはりウインドウ自体の形式ですね。画面下にウインドウが配される一番オーソドックスで母数も多い
このタイプであれば、上記の文字サイズやデザイン的なものさえ超えればほぼ問題はありません。しかし
神咒神威神楽のような横に縦書きスタイルなどは上述したレンズの歪曲的な問題で左右どちらかに視点を
振って文字を追うのが正直目の負担が激しく、かなりプレイに入り込みにくいです。また、最近増えている
可変型のウインドウのものも非常にプレイしていて疲れます。4Gamerの一般ゲームのレビューにもあるとおり
色々なところに視点を向けなければいけないゲームは頭の動きでなく目の動きのみで追わなければならない為
想像以上に億劫です。「鬼ごっこ!」のように動き自体がさほど大きくなく、加えてウインドウが
アニメーションで移動するタイプのものは視線誘導もしやすくさほど気にならないのですが、バンバン動き
視線誘導もない「恋色空模様」やWHITESOFTのゲームなどはHMDプレイとしては致命的に不向きです。
恋空とか画面の端から端まで使ったり同時複数窓表示とかあったりなのでもう目が大変です(笑)
111112f.jpg恋空のテキスト窓が右上に寄った図。上下左右縦横無尽に動く窓はHMDとは残念ながら相性が悪い。


抑えておくべきポイントとしてはこのくらいでしょうかね。画面的な演出については正直
紙芝居から全盛期PurpleSoftwareレベルまで動いても止まっててもプレイに関する問題は感じませんでした。
ゲームの雰囲気の差などについてはもう個人の体感レベルの差になると思いますし。個人的には、上記
システムと画面構成の部分にこそ差はあれ、それ以外のゲーム部分として立ち絵が動いてたりスチルが
表示されたりしてる分にはどんな作風でもフラットに楽しめる映像体験ではあったように思います。
萌えゲーから陵辱ゲーまでばっちこいです。まぁただ、あくまでこれはADVというジャンルでの話ですので
アリスソフトやエスクード、戯画のような遊べるゲームになると話はまた変わってくると思いますが・・・
そこらへんの体感は恐らくこの感想よりも一般的ゲームプレイの感想に近くなるでしょう。

が、しかしまぁ・・・やっぱり多いですよね、ハードル。
動きもなく、とかく「見る」ことに重点があり、複雑な操作も必要のないゲームであるアドベンチャーな
ゲームはHMDにはかなり適合すると思ったんですが、まぁそううまい話はありませんで。
しかしこれら挙げた条件さえクリアできれば、後は個人の体感差はあれど大型ディスプレイなどでは
得られないレベルの高い没入感でもって斬新なプレイ体験を得ることはできると思います。
迫力の!大画面750インチおっぱい!とか、大画面750インチモザイク!とかはやはり衝撃的ですし
シリアスなストーリーからガンガンな陵辱シーンまで、世界から隔絶された感覚でプレイすると
より楽しめることが増すものはこのジャンルにはかなり多く存在していると思います。

諸手を挙げてエロゲーマーにオススメできるデバイス、とはとてもじゃないが言うことはできませんが・・・
しかし非常に面白く、エロゲのプレイ環境にも豊かさや「選択肢」を求めるような人には
一度体感してみてほしいアイテムでもあるように思いました。
HMDというカテゴリはコレを機に今後広がっていくものだとは思いますしね。
そのうちもっと多くのメーカーから多用なアイテムが発売されて体感する機会も増えるのではないでしょうか。
アプローチは違いますがEPSONからも新たな商品が出てきましたしね。
次に体験レベルで変わるのは網膜投影とかじゃないかしら(笑)


あ、余談ですが、
HMDを被ってオナニーはかなりハードル高いと思います。多分。
まず没入感を高めてやらないと意味がないので上記条件を満たす必要がありますが、問題は手淫の場合
上下運動が多分HMDに伝わってしまい画面が揺れまくります。
なので電動オナホールなどを装着し、ベッドにまっすぐに寝てHMDを被り、事を致す・・・とか
そういう感じになるんじゃないですかね。
HMDが有線な点や、HMDは割とぎっちり固定しないといけない点などから、自分の体の位置の取り回しも
難しいですし、外が見えないことによる発射時の制御不安定、および発射後の後始末も大変そうです。
そしてまぁやっぱり最大の問題はこう、人に見られたら生きていけないレベルの不恰好さがね!
ある意味未来的なオナニーの姿なのかもしれませんが・・・

とりあえず、その煩雑さとリスクすらも快感だ、と思われる変態紳士様ならどうぞどうぞ、
覇道をお進みくださいませ(笑)


あとなんか他、ご質問ありましたら下の拍手かTwitterまでお問い合わせ下さい。
答えられる範囲&やれる範囲でしたら検証してみまっす。
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