
| タイトル |
恋騎士Purely☆Kiss |
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|---|---|---|---|
| メーカー |
エフォルダムソフト |
発売日 | 2011年9月22日 |
| 原画 | 憂姫はぐれ SPR魔人(SD原画) |
シナリオ | 藤原休樹 with 企画屋 |
| 評価 |
77点(100点満点中) | ||
多数の姉妹ブランドを有するあかべぇそふとつぅ系列メーカーの中でも、恐らく最重要肝いりメーカーとして
力を入れて打ち立てられたと思われる新メーカー、エフォルダムソフトの処女作は、騎士な女の子と恋をする
王道学園恋愛アドベンチャー。ジャンルは騎士娘とのイチャラブ学園恋愛ADVとなってますが、まさに
そんな感じの認識で間違いないでしょう。今までどの系列メーカーもひと癖ふた癖あるようなゲームばかり
作っていただけに、ある意味、あかべぇそふと系列としては異端かもしれませんね。
いざタイトル発表のときでこそ、甲冑少女で学園モノという点や公式サイトから伝わってくる高貴な
イメージなどなど、同じく同時発売予定だったRicottaのワルロマとモロ被りで、これはどうなんだ・・・
なんて思いもありましたが、実際のところ体験版に触れてみるとワルロマとはまた違う、もっと王道よりの
オーソドックスな恋愛ADVとして堅実な出来であったことや、その被り先だったワルロマの延期もあり、
一躍この9月のトップ注目タイトルになったという、なんとも最後から振り返ってみれば
巧いこと戦略勝ちのできたタイトルだったなぁと思いました。
しかしてここまでは発売までのお話。実際のところ作品の内容についてどうだったかというと・・・
まず、基本はばっちりOK。ほぼどの要素も安定していて、王道恋愛ADVとしての平均を大体の面で
クリアしており、絵の質やシステム、そしてシナリオまでは大体合格点・平均点を凌駕できる感じで
おおよそライト層のエロゲーマーに比較的容易に受け入れられるゲーム作り。
これぐらいの出来であれば継続して買うという引き合いもありそうな、非常に安心できる完成度でした。
ただし、あくまで安定しているだけで強烈な引き合いというほどのものはなく。まぁ、あまり個性が
幅を利かせるようだと今までのあかべぇ系列と何ら変わらなくなってしまうのでこれがこのメーカーには
最適解なのかも、とも思いますが。しかしインパクトは確実に強くないので、得点の上積みはしにくい感じ。
また、ちょっと致命的な一点として、恐らく最大のウリであろう絵を筆頭に、いくつか「量」という点において
かなり残念な部分もあり、ここは純粋にマイナスせざるを得ないところだとは思いました。
とは言え総合すると同じく王道作品メーカーの雄であるゆずソフトやクロシェットあたりと方向性や完成度で
並べそうな芽はあり、なかなか注目株のメーカーにはなれそうでしょう。ただ、まだ先鋭化や最適化などは
あと一歩。惜しいタイトルながら、今後への期待を予感できる悪くない一本だったと思います。
以下長文感想。
まずはボリュームから。
大体合計すると私で23時間ほどかかったでしょうか。エロゲーとしてはほぼ平均くらいですね。
ただその内訳は若干特殊で、共通パートが最近の萌えゲーにしては比較的長め。8時間くらいかかったかな?
それで個別が3時間×4人のヒロインで合計22時間ほど。また、一週クリアすることでサブヒロインルートとして
ベルと佳織が攻略できるようになりますが、あくまでサブなのでそれぞれ30分かかるかかからないか程度です。
共通の流れも、共通から個別への繋ぎの流れもとりたて不自然なところはありませんが、とにかく
一週してゲームのルート構造を把握するまでは長めなので、序盤は先の見通せなさを感じるかも。
上述のサブヒロインのロックこそありますが、メインヒロイン四名についてはルートロックなどはナシ。
相互間のネタバレもほぼありませんので、攻略順序は完全に好き勝手に自分の好みで選んでしまって
問題はないでしょう。
攻略についても難しいことはありません。基本的に4人のヒロインのいる場所、好みそうな選択肢を
選んでいくだけでクリアできます。一見どれを選べばどのヒロインに繋がるかわからない選択肢もありますが、
そういう選択肢も選択肢の順列がヒロインのデフォルト順列と一致しているので悩む必要はありません。
加えて、システム的にヒロインの好感度をいつでも確認することが出来、かつ選択をする・終える部分で
誰の好感度がアップしたかをわざわざポップアップ告知してくれます。超親切・初心者向きADVです(笑)
ちなみにこの好感度システムはサブヒロイン二人には適用されませんが、そもそも新たな選択肢がそれぞれ
一つずつ増え、それを選択するだけでサブルートに折れ込むことができる、というタイプなので
この点についても悩むことは全くないでしょう。
ゲームの進行関係。劇中の進行は一応時系列どおりに進みますが、日付は結構簡単に飛び飛びに。
序盤こそ多少ゆっくりですが、話が進むにつれ一週間や十日程度は簡単にスキップされます。
とはいえ飛んだ部分での劇中説明は必ずあるので時系列把握に問題はないでしょう。
まぁ、このゲームなら日付表記があった方が見栄えがしたかな、という気もちょっとだけしますが・・・
アイキャッチは存在しますが日付変更よりも場面・物語のチャプター的な変更で優先して
挿入されています。日を跨いだからといって必ず入るなんてことはないみたい。
なのでゲームの区切りの入れ様は日跨ぎのワイプ、アイキャッチのどちらでも入れられるとは思います。
ストーリーもさほど難しいことはないですしね。特に何度も言っての通り共通部分が長いので
一週目は特にぽつぽつ区切りを入れながらプレイした方が楽だとは思います。
進行関係のシステムについて。こちらはほぼ十全な感じ。オートとスキップは当たり前のように搭載ですし、
スキップの速度も速く、また選択肢の前後も可能。ジャンプ先のバックログ読み込みもちゃんと対応していて、
ジャンプ自体のシステムも軽くスムーズなので、ほぼ現状完璧に理想的な構成だといえるでしょう。
既読判定も十全ですし、とりたてて文句をつける部分はありません。
あとはせいぜいあらすじでも搭載してくれれば、ってところでしょうが、それは高望みすぎですね。
次にシステム全体。コンフィグまわりについてもとりたてて文句の出ない構成です。
基本的な部分は完全に押さえていますし、昨今の流行りものも網羅してる感じ。声やキャラごとの
文字色合いなども細かく調整できますし、非アク時動作や曲名表示、クリックボイスカットなどの有無まで
しっかり設定できるのでこれにいちゃもんつけるのは無理があるでしょう。
あえて一つ挙げるとすれば、曲名やボイスカットなど、最近この機能が搭載されてる作品では大抵
デフォルトでONになってるものが、OFFからスタートだったのが気になるといえば気になるかも。
最初からOFFだとその項目があることに気づかない場合があるんで、出来ればON開始がよかったかな、とは
思いました。重箱の隅レベルの些事だとは思いますけどね。
デザインや可読性も十分すぎるものでしょう。デザインは騎士というイメージから伝わるノーブルな感じを
入れ込みつつ、比較的シンプルにまとめていて綺麗です。同じノーブルでものーぶる☆わーくすより
デザインとしては洗練されているんじゃないかしら。色使いが綺麗です。
ちなみに文字のデフォルトのフォントはスキップというFONTWORKS系フォント。こちらはゲーム組み込みですね。
他にもハミングやスーラなどが入れられています。あかべぇ系はちゃんとフォントを組み込みで入れてくれて
文字から伝わるイメージをちゃんと理解してくれてるのがいいですね。
可読性についても取り立てて問題はないと思いますが、強いて言えばコンフィグで各項目にマウスカーソルを
当てた際に左下に出るその項目の説明文字が小さすぎるきらいがありか。ざっと全部の項目の説明を
見てみましたが、どの項目を表示しても文字小さすぎ、余白あまりすぎ。もう一回り大きな文字でも
よかったかなと思います。まぁ、こちらもシステムの問題同様かなり些事ですけどね。
演出について。
これについてはさほどの注力は感じられず。バトル演出でも剣の奇跡などを差込の画像で表示する
程度で、画面効果としての動きのあるようなエフェクトはとりたててナシ。感情を表現するエフェクトも
ありませんし、天候効果や背景効果なども特になし。ただその代わり、クロシェットのような画面分割の
キャラアップや、併走感を表すような立ち絵カットイン、立ち絵自体の配置や動かし方などによる
立ち絵芸はかなり洗練されているので、全く動きの乏しい紙芝居ゲー、という印象はなかったです。
ただもうちょい作り込みがあってもよかったかな、って気はしますね。
続いて音回り。
まずは音楽について。音楽はBGMが20曲に、ボーカル曲がOPとEDの2曲。
昨今のフルプライスゲームとしてはこの曲数はどっちかというと少なめか。一応、曲自体の質はどれもこれも
非常に高く、どの曲も聴けば一発でこのゲームの曲だと思いだせるくらいにはいい出来でしたし
曲のかかりのバランスや切り替えの妙も悪い点はとりたててなかったのですが・・・
もうちょっと曲自体のバリエーションはやっぱり欲しかったですね。ヒロイン個別のテーマ曲とかもないので
ちょっと物足りなさを覚えてしまうところはありました。
効果音について。体験版部分ではそんなに多くもないかな、と思ってましたが、話が進むごとにつれて
かなり多彩に活用してきているように感じました。比率としては基本的な環境音はしっかり揃ってますが、
注力という意味では感情音に傾いてるきらいはあり。感情エフェクトなどの演出がない分を
こちらで埋めあわせているように感じました。ただ、このゲームで初めて耳にした効果音もいくつか
ありはしたものの、基本的には系列ブランドでも使用している効果音を結構流用している節があり、
特に特徴的な「驚き」を表す効果音などは暁WORKSでよく使われてるあの音がやたら多用されるので(笑)
判ってくれる人は判ってくれると思いますが、すわ「ノロイ」か「アバター」でも襲ってきたかと
錯覚してしまうのはいかんともしがたいところでしたw
声については磐石で全く問題ないでしょう。みんなベテランさんや、あかべぇ系列で特に活躍してきた方が
よくよく採用されてるので、不安感は微塵もなし。演技始動の方向性についても違和感を覚えることはなく
キャスティングもばっちりだったので文句や不満は一切感じませんでした。パーフェクト。
お次は絵について。
原画は憂姫はぐれ氏。原画はラベンダーの少女ぶり、単独原画はWHEELのパンツ大宇宙ぶりかな?
元々高い技術力を持っている方だった上に、昨今特に腕をあげている節があってかなり見栄えについては
素晴らしいの一言ですね。ただちょっと最近、トモセシュンサク氏、及び深崎暮人氏の絵風に
若干寄ってきてしまって氏本来の個性が少しだけ弱くなってしまっているのが個人的に少しだけ惜しさを
感じてしまいましたが。線をしっかりしつつも細やかに、そして目力強く描く、ってところが、これら絵師に
全員一致してるので、だんだんと絵風が近づいてしまうのは然もありなんなのかもしれませんが。
絵の魅力としてはこの作品随所から感じられる「昨今の王道売れ筋路線」への意識もあってか、萌え絵としての
前提を押さえつつも、判りやすいセクシャルアピールをがっつり前面に押し出す感じが強く、どの絵も
見ていてムラムラする存在感はすばらしいですね。特にヒップラインや、乳首などの描写の丁寧さは
他作品と比べても一線を画しているのではないかと。非常に高い魅力を備えています。
かと思えば、かたや立ち絵などではジト目や驚き顔などで非常に可愛らしくもコメディっぽさの強い
かなりディフォルメの強い崩し顔もあったりで、綺麗から可愛い、面白いまで大変幅の広いいい仕事を
している感じです。塗りについても丁寧・美麗で、通常CGの「質」については基本文句の付け所はないですね。
また、体験版の感想でもちょっと熱めに語りましたが、SD絵のSPR魔人氏の絵もかなり魅力的。
個性的なデフォルメの効かせ方から出る味もさることながら、キャラクターの動きや表情が非常にコミカルで
かわいらしく、かつ状況をしっかり的確に表すことの出来ているかなり理想的なもの。
よくぞこんな新人を出してきてくれた!と思ったレベルですね。もう本当に可愛い。
先日のユユカナレビューでも似たようなことを言いましたが、あちらと同じくこのSPR魔人氏のSD絵も
今年のトップレベルに魅力的なSD絵の中に入れてしまえる出来でしょう。大変素晴らしい。
さてしかし。高い絵の「質」も、「量」がないとゲームとしての良さは半減してしまうものでして。
続いてイベントCGについて。こちら合計86枚とこれだけ聞くと普通に聞こえますが、うちSD絵が16枚と、
メインビジュアルのバラし絵が4枚混じっているので、実質の通常イベントCGはなんと66枚。
これは正直フルプライスの、しかもこのレベルの期待値の作品に求められる予想の量からすると
「たったの」と頭につけてしまってもおかしくないレベルの残念ボリュームだといわざるを得ません。
体験版部分でかなりガンガン絵が出てきたのでこりゃ量の方も期待できるか、なんて思ってたのに
まさかホントに竜頭蛇尾になってしまうとは露ほども思いませんでした。どうしてこうなった・・・
ただ完全に個人的な話ですが、SPR魔人氏の絵が16枚「も」あったことは逆に僥倖でしたが。
ED絵にしてはなかなか多い数ですので。これは唯一このゲームにおける「量」でよかった点ですね。
ちなみに絵のHCG:非HCGは一応5:5ほど。ただし、なんだかこのゲームは通常イベントCGも殆どが
ラッキースケベ的におっぱいだの尻だのが見えるので(笑)体感としてはもっとHCGがあるように
感じてしまいます。更に言うとHシーン数はそれぞれ各ヒロインごとに5回。(サブヒロインは1回ですが)
Hシーンのボリュームがあるのは昨今の萌えゲーによくよく求められることなだけにいいものの、その
シーン内容については個人的にはちょっと今ひとつだったかな、とも思いました。5シーンとはいっても、
1シーンあたりのCG数は1~2枚な上、シーン自体のシチュエーションや衣装バリエも個性が乏しいので
あんまりそれぞれのエロさや覚えの良さはよくない感じ。むしろそれらより、事前のラッキースケベな
イベントの方がバカバカしくも奇抜で、エロゲーらしい笑えるエロって感じで良かったかもしれません。
ほんと、どうやったらパンツやブラに解けないほど指が絡まったりするんだろうか。ToLoveるか!(笑)
続いて立ち絵の話。こちらも正直ボリュームがあるとは言い難いですかねえ。
各ヒロインについてはポーズパターンが基本2種類、衣装が制服、騎士制服、騎士制服の甲冑パージ版、水着、
寝巻き、全裸、バスタオル姿を完備で、他特殊衣装はナシ、かな?衣装だけは多いように見えますが、
実質騎士制服の2パターン、全裸とバスタオルは差分レベルの差なのでそこを一括してしまうと
そうでもなく。あとまぁ、特殊立ち絵として、バトル時にメインビジュアルをばらした絵が使われてます。
この絵は勢いもあって確かに素立ちでバトルするよか見栄えはするんですが、どうしてもメインビジュアルな
だけあって立ち絵と絵の質が違って・・・塗りや線の細やかさなどがあからさまに別物なんで、出てくると
若干の違和感を感じられてしまいます。
他、サブキャラについてはサブヒロイン二名と、悪友と、学長の4人しかおらず、登場人物で絵のあるキャラは
実質この8名のみ。サブキャラもみんな衣装差分や、佳織さんなどはポーズパターンもあったりするものの、
やっぱり総合するとこれも量としては平均的か、若干それ以下になってしまうでしょうかね。
イベントCGにしろ、立ち絵にしろ、絵はかなりこのゲームに対して求められているであろうポイントなだけに
本当に一番大事なところが物足りないなぁという感じ。重ねて言いますがホントに絵自体の出来はいいだけに、
とにかく悔やまれてならんポイントですね。
さて気を取り直して続きお話回り。
まずはキャラクターから。ヒロインについては、まさにエロゲーヒロインな感じ。過度な個性、というほどの
個性は強くなく、女性キャラとしての魅力や萌えポイントをかなり均等に分散しています。
ただそれら属性についてはかなり今風のアレンジが入っていますね。シアだけは割とテンプレ感ありますが、
それ以外のヒロインは結構オンリーワンな萌えポイントが入っていて面白いですね。
ただ、真奈なんかに至ってはは自分で言っちゃうくらい、基本的にどのヒロインも「めんどくさい女」です。
これはどちらかというと後述する主人公の人柄が良すぎるが故こうならざるを得なかったバランス取りなのかも
しれませんが、どちらかというと女性側がヘタレかつメンタル的な弱さに負ける傾向があり、そういった
うじうじする感じや身勝手さが苦手な人は個別の恋愛パートでちょっとひっかかるかもしれません。
サブキャラについては前述の通り立ち絵があるサブは4キャラしかいないのでまずもって
どのキャラも出番や描写は濃い目で存在感はあります。攻略できる女性サブキャラは基本メインヒロインと
さしたる違いはなく。男キャラについては与えられている役割を正しくこなす感じで舞台装置としてかなり
有効に活躍しています。とりあえず、不快キャラと思うようなキャラはいないのでストレスはないでしょう。
そして主人公。これはかなり魅力的な主人公ですね。頭脳はそれなりですが、個性的な技能はあり、
人望あり、リーダーシップや主人公らしい突っ走りもあり。ヒロインに対する気配りも出来るしで
見事なイケメンっぷりを惜しげもなく発揮してます。前述の通り、悩んだり立ち止まったりするヒロインを
しっかり引っ張っていったり、首をつっこんだりもできるキャラなので、主人公の行動が
プレイの邪魔になるようなことは基本的にないでしょう。
理想的な主人公ですね。しいて言えば謎のラッキースケベを発揮したときだけ行動が鈍くなるのは
ある意味違和感といえば違和感でしたが、エロゲーの主人公の特殊技能だと思っておきましょう。
テキストについて。シナリオは藤原休樹氏with企画屋。
今まで目立つことはなかったものの堅実なタイトルで堅実な評価を得てた感じの人、という印象ですが
その印象にままそぐう、プレーンで読みやすく癖のないテキストです。
無茶なパロもギャグも多くは無く、基本に忠実にシリアスにしろ萌えにしろHにしろシナリオとしての
イベントをこなしていく、という体で、退屈だということこそないものの、しかし読み物の文体から
何か強い個性や覚えがある、という感じではありません。ぶっちゃけ無難な感じ、ってとこですね。
あでも、この話題を挙げるの何度目だという感じですが、ラッキースケベイベントだけは本当に
笑えるほどバカバカしくくだらな突飛なので、これだけはちょっと個性的な価値があったかもしれません(笑)
最後にシナリオ。
キャラクターの項にて「ヒロインのメンタル云々」なんて言っての通り、基本はキャラクターの成長物語。
あまりコテコテのストーリー系のもののようにヒロインとの過去がうんたらみたいな事はなく、騎士学校という
ちょっとファンタジックな設定の学園で、いわゆる「騎士」として基本は学園や寮などで学び、訓練し、
街頭警邏のような仕事をし、たまに大きな事件がおきたり巻き込まれたりするところを
物語の縦軸としつつ、前途有望な若者が人として騎士として成長していくストーリーになってます。
あんまりテーマ性だとか主張というものを強く前面に押し出してはおらず、率直にエンターテイメントとして
ちょっと笑ってちょっとエッチでちょっと熱くてちょっとしんみり、なんてテンプレがてんこ盛りですが
わりかしそのバランス感覚がいいので物語の破綻などもなく(ただし、特にシリアス部で舞台背景や状況などを
深く考えるとバカを見る部分はありますが)、スムーズに楽しむことができるお話です。
あんまり強いカタルシスなどは得られませんが、恋愛描写もそれなりに描いているし、チームものらしい
仲間同士の絆なんかもちゃんと盛り込まれているので、「あー面白かった。」で終えられるような
後味さっぱりの無難なゲームに仕上がっているのは確かでしょう。
ただちょっと残念な部分は、一番最初のゲームボリュームの項でも触れた、共通と個別のバランス感覚ですね。
正直騎士としてのシリアスな事件は流れとしてが長い分共通の方が地続きのストーリーとして面白さが
あり、その分個別に入ってからは恋愛などにも話が裂かれるのもあって物語としてさっくり終わってしまう
ような印象は否めないかも。ストーリーのピークには何かあともう一押しが欲しかったですね。
以上。
やはりとにもかくにも量的な問題、音楽とCG・・・特にイベントCGの不足感が思いっきり足を引っ張って
しまっている感じですね。それ以外は無難かそれ以上にはなかなかよく出来ていますし、この点の
物足りなささえなければ一発で80点台前半まで点数は上がるんですが・・・。間違いなくこのゲームの
ユーザー層は萌え系ライトエロゲーマーが主軸なだけに、一番「そこ削っちゃ駄目だろ!」ってところを
削られてる感じで絶対に看過できない落ち度だと言えるでしょう。
是非とも次はここだけはどうにかしてほしいです。
逆にここさえどうにかしてくれるのであれば、間違いなく優良メーカーになれるだけの下地のあるので
かなり強く期待をかけられる新進気鋭のメーカーとして言ってしまってよさそうではあり。
良かった点は素直に引き継いでくれれば質は全く問題ないですし、方向性としても今までのあかべぇ系
各ブランドがやってそうでやってなかった「完全王道」というのは一つかなりアリだと思いますので。
引き続きこのベクトルで(量の改善だけはしつつも)邁進してくれればと思います。
それでは、最後にこの作品のオススメユーザー。
もうなんか書くまでもないんじゃないかって気はしますが・・・
「多少絵が少ないくらいは気にならないよ、っていう萌えライトゲーマー全般」で。
ホント、ここさえ許容できるならほぼ完璧に無難で敷居の低い優良な萌えゲーなんだけどなぁ・・・(笑)


















