
| タイトル |
Tiny Dungeon -BLACK and WHITE- |
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|---|---|---|---|
| メーカー |
Rosebleu |
発売日 | 2010年6月25日 |
| 原画 | 魚/久遠樹/ 観音王子/すずめみく |
シナリオ | あごバリア |
| 評価 |
52点(100点満点中) | ||
流石に発売日翌日にいきなりレビューを書くことに抵抗はなくもないのですが。
体験版からオススメしてきた身としてこれを放置しておく気にもならない・・・
Rosebleuの新作は神族・魔族・竜族・人族入り乱れる世界でのファンタジーラブコメ。
アピールポイントを大間違いした公式サイトや雑誌・チラシの中二傾倒要素はそこまで濃くなく
その実はあごバリア氏らしいラブいちゃ分大目の萌えゲー
・・・の、はずだったのですが。
少なくとも体験版から香ってくる作品の雰囲気はそんな感じだったのですが。
まさかのヴェルルート以外存在しない(というか、他のルートは続編で出すらしい)一本道。(反転)
もしこれから買おうとか思ってる人はちょっと待った方がいい。
そして上記反転部分の事実を覚悟した上でなら止めません。
一応、体験版から期待されるようなラブいちゃの良さだけは確かに楽しめるのですが・・・ねぇ。
以下長文。
(「続き」部分を読む人は序文の反転部分を確認しているという前提で書きます。)
あんまりこの表現は好きじゃないんだけど、判りやすく言えばまぁぶっちゃけ「怒りの庭」再来ですよね。
一応雑誌や公式Blogにて「世界観が膨れ上がったので続編が決定しました!」なんて書いてはいますが
その表記を見て普通のユーザーは「世界観を継承した続編を作る気なのか」と思うでしょう。
残念でした。ただの分割商法です。
ヴェルルートしか存在しません。選択肢も途中のまったくどうでもいいところでしか現れず
間違った方を選んでもただ即タイトルに戻るバッドエンドに至るようなのだけ。
プレイ時間は6~7時間程度。普通のエロゲーの共通ルートから個別ルートまで一本通しただけです。
一応その間にメインヒロイン級のキャラにはHシーンが存在しており、またCG枚数も90枚超ありますし
立ち絵パターンもポーズ、服装ともに平均クラスの数がありで、そこだけ見れば
フルプライスレベルなのですが、流石に一本道&このボリュームではそれら要素の説得力も
焼け石に水でしょう。まさに怒りの庭。むしろボリュームだけ見れば残念ながら怒りの庭より酷いですね。
ちょーっとフォロー不能です。
ちなみにこの点で全体の評価から20点減じています。
さてまぁ、しかしとりあえずそれにばかり拘ってクサクサしててもしょうがないので
他のことについても触れていきましょう。
システム。大体体験版の頃から判ってはいたことばかりではありますが・・・
まず最大の特徴はかなりの大画面。1280×720pixelあります。
大分ワイドのゲームは増えてきましたが思い切ったサイズです。個人的にはいい事ではあるのですが
大きくするならするで小さな画面のPCを使用しているユーザーへの配慮が欲しいところですが
残念ながら縮小することが出来ません。手前味噌であれですが、ウチのサイトへのアクセス解析を見る限り
1024×768の画面を使用しているユーザーは実に16%程存在しているようなので
大画面化が進んできているとは言えまだ切り捨てられる数ではないでしょう。残念。
項目面はそこそこ充実しています。一つ設定した後、コンフィグのページを切り替えると
設定したものがリセットしてしまう体験版時のバグも修正されています。不安定っぽかった部分も軽減。
演出面は普通・・・というか少なめ。バトル時に色々とエフェクトをつけ、頑張っている雰囲気は伺えますが
技の属性っぽいものに合わせて色を変えるだけ、しかも色づきがどれもバリバリの原色に近いので
割と安っぽいです。とはいえ無いよりは圧倒的にマシでしょう。主人公以外の各キャラにキメの戦闘CGや
斬激等の効果CGもある故に一応、合わせて戦闘シーンはそこそこに迫力出てます。
後、「間」にあたるエフェクトがかなり不足。シーン単位での余韻に浸りにくいのがちょっと惜しい感じ。
音楽。ボーカル曲はOPとEDで2曲。BGMは曲数不明。何故か音楽モードがないので・・・
曲自体はボーカル、BGMともに普通、でしょうか。ファンタジーらしく結構大仰な曲が多いので
盛り上がるところは盛り上がる反面中途半端な部分では過剰な盛り上がりも感じてしまい
一長一短な印象です。
絵。体験版の感想でも触れましたが、やはり原画氏が4人もいるカオス風味はそのままです。
とはいえこれまた以前触れました通り、キャラクターに4種類の種族があり、その種族差がそのまま
原画の分担になっているのである意味コレでありなのでは、と思います。
また、塗りが(少々古臭いものの)ファンタジーらしいメリハリの利いた明暗激しい色使いをしているので
色の方に印象が強く引かれるためプレイ中はそこまで絵師の差を意識することはないかも。
絵自体は・・・確かにどの原画氏さんも非常にかわいらしい女の子を書いてくれてますが、同時に
どの原画氏さんも程度の大小こそあれ若干崩れを感じます。
特に久遠樹氏はとにかくノートの乳の大きさがフレキシブルすぎるのが・・・(笑)
一番安定してるのはメインヒロインと一番多くのキャラを扱っているだけはある魚氏。
観音王子氏は安定してる半面超個性的。
すずめみく氏は人族が一人しかいないためサンプル不足ですが四人の中では一番無難な感じですね。
キャラクター。各種広報資料には片っ端からキャラクターの戦闘スペックばっかり書いてありますが
実際見てみればヘタな学園恋愛モノより可愛らしさに主眼を置かれたキャラクター作りです。
ヒロイン勢に関して言えば、テンプレを地盤に踏まえつつも、そこから半歩だけ個性をズラし、
また可愛さのアクセントになるような小さな要素をちょこちょこ加算させることによって、
エロゲーヒロインとして「キャラ萌え」をうまく引き寄せられそうな作り。具体的には
ヴェルの一切ツンがないどころかヤンに転じかねないレベルの超デレや、
ノートの全身から漂う女の子オーラに一点だけ反するボクっ娘要素などなど
ポイントの抑え方が実に巧いというか、美味い。このへんは流石あごバリア氏、といったところ。
そしてサブキャラクターも同じく氏らしい作成と配置。特に保護者系が強いのは相変わらず。
キャラそれぞれの立ち位置が非常にはっきりしているので世界観に入り込みやすいのもいいですね。
主人公についても、勇気と蛮勇の境界スレスレの行動が目立ちはするものの、基本的には
ジャンプの主人公のような友情・努力・勝利と平和を望む好青年で
変に毛嫌うこともないでしょう・・・一点を除いて。その一点についてはすぐ後述します。
シナリオとテキスト。まず全般として、「ヴェルとらぶらぶイチャイチャするゲーム」としてのみ
考えるのであればかなーり悪くない・・・とは思います。べったべったべったべった、
初登場から最後までほぼ始終甘くくっついている主人公とヒロインの図は
萌え分補給ゲーとしてはとても優秀。信頼関係も異常なほど堅いため
妙な安心感もありますし。ただ、そこにかこつけてというか、ヴェルが寛大すぎるため
他のヒロインとのおいしいハプニングに対する嫉妬成分はかなり足りなめだし、それどころか
メーカーの事情的な・・・ルートがない分の補填でもあるのでしょうが、他のヒロインとかなりさっくり
一線を越えてしまいますが、それについて大きく言及や喧嘩なんてこともないので、
修羅場分が好きな人には肩透かしだし、加えてこの点、主人公に
「誠実さを」求める人には大きなマイナスかもしれません。
対して、他ヒロインを求めていた人。ご愁傷様です・・・とまではいかないまでも
はっきりって全く物足りません。
ヴェルとずーっとイチャコラしてる、ということはつまり他のキャラとべたつくシーンなんてのは
大して多くはないですし、すぐ上でも書いたとおり、Hシーンは存在するだけマシなものの、
物凄くさっくり、唐突に突入します。
前フリもなければ余韻もありませんので不完全燃焼どころの話ではないでしょう。
続いてシリアス面について。「完結してないのでなんとも言えません。」ええ、残念ながら。
ヴェルの話としては一応しっかり終わるものの、思いっきり「まだまだ続くよ!」というシメで
くくられているので、話の感想を、といわれてもコンプリートしていないゲームに感想を求められてるのと
全く同じ状況で、語る言葉を持ち得ません。
とりあえず部分で見れば、ところどころツメや論理が甘くないか?と思うところや、演出が軽すぎて今ひとつ
感情移入のしにくさはあるものの、ご都合主義も極端に振りかざしすぎず、主人公側に対する
はっきりな不利、罪、悲しみを与えている点は個人的にそこそこ評価できますし、
また、最初から大風呂敷の如く広げている結構重い世界設定について
整合性の甘さは兎も角、変に誤魔化さずちゃんと突っ込んで物語を作っている、また今後の続編についても
ちゃんとそれらに触れながら作る気がありそう、という点は悪くないのではないでしょうか。
さて、総合的に見ると困ったことに1ルートだけなら「つまらない」なんてこともないんですよね・・・。
他のキャラのルート、かなり見たいです。見たいと思えてしまいます。しまうだけに非常に構成が憎い。
せめてミドルプライスかそれよりちょっと高いくらいの値段だったら許容できたのですが
やはりフルプライスである事、公表の仕方がさっぱりユーザーに対して誠実でないことを考えると
人にオススメすることは二の足どころか五か六足くらい踏みます。
どういう形で続編を作るのかは今のところさっぱりわかりませんが、全ユーザーが納得する形なんてのは
絶対に存在しないにしろ、可能な限り多くの開幕ユーザーが納得できる形での頒布を期待します。
なるべく早く、そして手軽に。
ということで本作オススメユーザー。
「ヴェルというキャラが好きで好きで好きでたまんなくて他はどうでもいい!フルプライスでも構わない!」
という豪気な方のみでお願いします。
それ以外の方に関しては、手を出す前に、躊躇し、熟慮し、覚悟するのをとてもとても推奨致します。


















