
| タイトル |
se・きらら |
||
|---|---|---|---|
| メーカー |
native |
発売日 | 2010年3月26日 |
| 原画 | 平山まどか/堀井 久美 田畑 寿之 |
シナリオ | 秋史恭/姫ノ木あく/日暮 茶坊 秋月ひろ/関根聡子 |
| 評価 |
59点(100点満点中) | ||
フィギュア業界から殴り込み!というだけで動きもさほどなく大して目立たない一本から一転、
無料配布エロゲーということで一躍話題の一本となった本作。
とは言え当初はフルプライスを想定して製作していたということですので
単純に普通のゲームと同じような視点から評価させて貰うと、正直駄に近い凡作。
「タダだから今までエロゲやったことないけどこれを機に」、なんて人は思い留まって下さい。
普通のエロゲとは色々ずれてるし、完成度も低いです。
ただ唯一、亜矢ルートの亜矢が可愛いのだけは全幅で認めます。
以下長文感想。
前述した通り「無料だから」は一切考えずに評価検討します。
あらゆるところから10年くらい前の古臭いテンプレのようなビミョーなセンスが漂っています。
やっぱりフィギュア会社が畑違いの業界に偏見と先入観だけでかかってきたんじゃ、と
邪推せずにはいられないクオリティです。
まずは絵から。思いっきり塗りがアニメ調になっているおかげで感じにくいですが
立ち絵が並ぶとそれでも絵師の腕の差が十分わかってしまうのでまず違和感。
単体で見ても、(亜矢だけは特に文句はありませんが)だいたいどのキャラもどこかしら
おかしいところが多いです。特に謎のライブ女。彼女の驚き顔は逆の意味で必見です。
果たして誰がこの顔を可愛いと思うのだろうか、というレベル。
流石にイベントCGになれば絵自体のそういう異様さは減りますが、しかしやはり
妙なアップ、変なポーズ、珍奇な構図等、どこかしら滑稽さを孕んだ絵がちらほらあり、
いちいちそのたび冷めてしまいます。
システム関連はフツーの一言。基本項目は大体過不足なくそろっていますし、
システムグラフィックも悪くないでしょう。洗練とまではいいませんが不満というほどでもなく。
演出関連で言えば、まずは夕方・夜の表現に使われているエフェクトが濃すぎるのは厳しいか。
どちらも西日の色、宵闇の色を全体に乗算しているだけ、のような演出なのですが
とにかく濃く、特に夕方は異様なほどオレンジに染まり、ちょっとやりすぎ。
また、ゲーム中の「章表示」も難。ゲームが章で区切られているのですが
なぜか章タイトルが「じゃんけんフォントの」「黒塗りつぶしに」「外側白光彩」で
「普通に劇中に文字だけで」フェードイン表示されます。
デザインを触ったことがある人なら恐らく想像できると思いますが、これが恐ろしく読みづらい。
何故この表示にしたのか意味不明。元々がカラフルなイメージのゲームなので、
どんな色を使ったとしても大抵違和感はないはずなのですが・・・。
音楽。地味に多いボーカルソングはどれもいい感じ。BGMの方は悪い曲ではないのですが
場面の選曲センスが不安定なのと、それ以上に過剰演出がキツめです。
雰囲気をあげすぎて失敗している場面がとにかく多い。なまじ後述するシナリオ自体の
微妙さもあわせて、シリアスがギャグかジョークに変化してます。
で、肝心のキャラとシナリオ。まずキャラ構成ですが
基本は非常に属性分けしやすいヒロインと、ありきたりな主人公ではあるのですが
全体を俯瞰で見た場合、キャラ自体の深みがシナリオによって全く違い、地に足がついていません。
特に主人公、亜矢、泉あたりは顕著。それでもヒロイン勢はまだ出番に偏りがあるのでマシな方で
出ずっぱりの主人公は悲惨。かたやあるルートでは業界最強クラスのヘタレを演じたかと思えば
一方ではルート確定直後に色恋に目覚めてたりと、思わず「お前誰だよ」と言いたくなります。
で、そんな不安定なキャラが織り成すシナリオはそれ以上に不安定。
5ヒロインルート+TRUEルートまでやって思ったのは、ひょっとするとこのゲームは
ゲームの大枠と基本設定を最初に決め、それら決めたことを一端そのまま置いておいて、
5ヒロインのルートを全て別のライターに書かせて、最後につじつまだけ微調整したのでは?という事。
まず展開からして、ただの恋愛アドベンチャーかと思えばいつの間にかセカイ系になっていたり
はたまた陵辱ゲーでもやらないような陳腐なバトルモノになったりと、ルートにより無茶苦茶です。
それだけでもげっそりするのに、それら超展開にしろ、普通の恋愛ADV展開にしろ、
紆余曲折の末の収まりどころは手垢がつきすぎてテンプレと言うにもおこがましいほど古臭い
完全に先が読めるものしかなく、大して面白みもありません。
また、前述した「ルートごとのキャラの違い」とは別に、ルート内でも
人としておかしいんじゃないかというくらいキャラたちが発する言動のブレも壮絶。
実に「感情移入」からは程遠い出来となっております。
ただ一点だけ、光明を見出すとするのであれば、
ヒロインの一人である「亜矢を」「亜矢ルートだけで」見れば、キャラクターの可愛さと絵の安定、
青山ゆかりさんのマッチした声と、ラブラブで甘い普通の学園恋愛ADVらしい展開、
そして多めでバリエーション豊富なHシーンと、唯一普通に楽しめるルートになっています。
恐らくユーザーが求めていた需要どおりのものがここにだけはあると言えるでしょう。
このクオリティが5人全員そろってれば本当にそれだけでよかったはずなのに・・・。
また、(根本的なキャラクターの設定上致し方ないものの)展開こそアレでしたが、
同じく望美もまた該当ルートではちゃんとキャラクターとしての魅力が発揮できています。
この2ヒロインの存在が本作の救いである、と断言してもいいでしょう。
・・・まぁ、どうやらこの2ヒロインが、参加しているライター陣のうち実績のある
秋史恭、姫ノ木あく両氏の担当らしいので、当然の納得しか感じないのですが。
以上。ネタバレにまで言及すれば正直まだまだ文句が言い足りないのですが
当サイトの趣旨からズレるので自重します。しかし、本当になんだったんでしょうかこのゲームは・・・。
業界を騒がせるだけ騒がせて滑っていったゲーム、という感じ。
簡単にまとめてしまえば、ゲーム自体は古臭く、破綻していて、ツメも甘い、ペケ評価。
亜矢と望美という存在、というか秋史恭、姫ノ木あく両氏がいなかったら更に点数は低かったでしょう。
更に言えば無料という点も疑問。確かに話題にこそなりましたが、一歩間違えれば業界に亀裂を入れかねない
非常に危ういものですし、また頒布方法にもゾーニングの問題等締まらない所が散見。
nativeというメーカーに対して殆ど好意的に捉える要素がない一本だったな、というのが私の印象です。
もし次があるのであれば、エロゲーがどういうものなのか、市場が何を求めているのか
しっかり研究とマーケティングを重ねた上で、他社と同じ土俵で勝負して欲しいと思います。
figmaをキャラごとに作って販売すること事態は会社自体のイニシアティブであり
そちらからも推す事自体はこのメーカーにしかできない美点だと思いますので。
で、とりあえずいつもの、本作はこんな人にオススメ、は
「キャラ紹介を見て、亜矢可愛いな、と思った人だけ」、あくまでも「だけ」!
望美も推してあげたいのですが、間違いなく事前情報の期待からはズレると思うので・・・
それ以外はスルーでいいと思います。また、やるにしても亜矢ルートだけでいいと思います。


















